創業時の資金調達:補助金申請と融資の仕組み
Contents
資金調達の種類
- クラウドファンディング
- リターンという形で実質売買の形になることが多い
- 何かしらお返しできる商品が無いと成り立たず、企画書一つで資金調達できるものではない
- 株式発行で資金調達
- 株式会社を設立して、株を発行して投資家から資金を募る方法
- Youtubeで「令和の虎」というのもある
- 金融機関の融資
- ここで言う資金調達は、金融機関の融資を指している
融資をしてくれる金融機関
- 銀行・信用金庫・信用組合・日本政策金融公庫などがある
弊社でも、信用金庫と日本政策金融公庫から融資していただいている
日本政策金融公庫からは証書貸付、信用金庫からはプロパーの当座貸越で融資いただいている(融資金額は非公開)
先ずは民間の金融機関を検討する
- 日本政策金融公庫は立ち位置として、民間の金融機関の補完的金融機関として位置づけられている
- 民間の金融機関を飛ばして、いきなり日本政策金融公庫に融資の依頼をしても、本来求められている役割と異なるため融資しづらい
- まず最初は民間の金融機関に融資の申し込みをするのが普通
どの民間の金融機関を検討するか
- 融資の条件に次第で、自分に都合の良い条件の融資をしてくれるところを探す
融資の金額で目星をつける
- 信用金庫を基準に無担保証書貸付の場合は支店長ランクにより300万円位〜1000万円位
- 有担保証書貸付は、支店長ランクにより3000万円位〜10000万円位
- それより多い必要な場合は銀行、それより少なくていい場合は信用組合と大雑把に考えてみると良い
銀行・信用金庫・信用組合の考え方
- 銀行は「株式会社」で、営利目的の法人で、株主の利益が最優先
- 信用金庫や信用組合は、それぞれの会員や組合員が出資による非営利法人
- 信用金庫や信用組合は、顧客の景気が悪いときも寄り添うのが特徴
- 借りる前からも担当によっては寄り添ってくれる
- 一般的には銀行のほうが利息や振込手数料が安い傾向がある
四つの融資種類
- 証書貸付
- 当座貸越
- 手形貸付
- 手形割引
証書貸付
- 1000万円なら1000万円を一回で借りる方法
当座貸越
- 1000万円という上限を設定して、上限の範囲で必要な時に、必要なだけ借りる方法
- 不要になれば枠を残したまま返済することができる
- 当座貸越で融資をして貰っても一切借りなければ利息が発生しない
- 事実上としてはこちら側も相手に寄り添う意味で数ヶ月敢えて借りる形になる場合がある
- 返済日が決められてなく、借りっぱなしにすることができるため、四つの融資の中では一番審査が厳しいタイプ
手形貸付と手形割引
- 手形貸付の場合は、自社の手形を差し入れて融資を受ける
- 手形割引の場合は他社の手形を買い取って貰って融資を受ける
不渡り手形
- 手形の満期日が到来し所持人が手形代金の支払いを請求したにもかかわらず、代金を用意できなかった場合 #####2回目の不渡り
- 6ヶ月以内に2回の不渡りが起きた場合は、当座預金口座の銀行の取引停止処分となる
- 普通預金口座も債権の回収に充てるために引き出しが出来なくなり、事実上の倒産となる
1回目の不渡り
- 銀行は不渡りを起こした会社を記載した「不渡届」を手形交換所に提出
- 「不渡報告」として加盟銀行に通知される
- 信用力が低下して新たな融資を受けることができなくなる
不渡りの回収方法
- 「仮差押の申立」→「手形訴訟の提起」→「強制執行の申立」の手順でなされる
- 手形割引の場合、不渡りを起こしたのは他社だが、この不渡り手形を使って融資にしてもらった為、金融機関に融資返済を求められる
保証付融資とプロパー融資
プロパー融資
- 「プロパー」とは英語の「Proper」の意味で、「本来」という意味
信用保証協会保証付融資
- 融資を返済できなかった時に信用保証協会が80%から場合によっては100%まで代位弁済してくれる
- 金融機関側のリスクが少ない
- 信用保証協会が代位弁済しても、借金帳消しにはならず、利息が14%あたりの高金利で返済などの手続になる
- プロパー融資比べて融資を受けやすい
- 上限=保証枠が決まっており、無担保の場合8000万円、担保を含めれば2億8000万円
協調融資
- 民間の金融機関と日本政策金融公庫との協調融資
- 例えば1000万円の融資が必要な場合、民間の金融機関と日本政策金融公庫で折半して500万ずつ融資をして貰う
金融機関側のメリット
- 民間の金融機関では1000万のリスクを背負うことはできないが500万までならリスクを背負える
- 日本政策金融公庫も融資後は基本的に担当が就けないが、民間の金融機関の担当が代わりに見てくれる
それなりの額の満額融資のために
- 信用保証協会付きの民間の金融機関の融資+日本政策金融公庫の協調融資を検討する
デメリット
- 信用保証協会、民間の金融機関、日本政策金融公庫と3機関に審査されるので、時間が一番掛かる
- 1つでも審査に落ちると協調融資が成立しなくなる可能性が高く、1からやり直しになることもある
- カードを使い切った場合、追加の融資を申込む先が無い
融資決定までの期間
日本公庫はアッサリで早い
- 少額の場合や事業形態によっては訪問審査を行わない
- 申請から2週間から3週間程度で融資結果が出る
- 門前払いされることもある
民間は時間が掛けジックリ
例えば信用金庫の場合
- 1回目は渉外担当向けに事業計画のプレゼン
- 次に支店長と同伴で事務所に来て、実地調査と支店長向けにプレゼン
- その後追加の資料請求などの書類審査を経て融資が決まる
寄り添う信用金庫・信用組合
- 日本政策金融公庫の場合は早い代わりにアッサリしているので、少しでも駄目な場合に巻き返すことが難しい
- 信用金庫等の場合は少しでも駄目な場合でも、説明によっては融資に漕ぎ付ける事ができる
補助金の計画書との違い
- 計画書は補助金の場合と融資の場合では大部分は重複するが、書く趣旨が異なる
- 実質的に使いまわしをすることができず、書き直す必要がある
補助金の場合
- 大まかに経営方針と経営計画を書き、補助金を出してもらいたい補助事業だけをピックアップして詳しく書く
融資の場合
- 全体的にどうやって収益を出し、どうやって返済して行くかといった資金繰りもしっかりと書く必要がある
- 良いパターン、通常のパターン、悪いパターンの資金繰り計画をシュミレーションし、悪いパターンでも融資の返済ができることを証明出来ることが求められる
自己資金について
- 基本的には融資の総額の最低でも1/3は必要
- 日本政策金融公庫については0円でも申請できる
- 0円でも申請では無計画で思いつきで始めたと思われ、審査で納得できる自己資金が0円の理由の説明が求められる
- 自己資金0円の場合で金融機関が満額出資した場合、この事業は金融機関の事業とほぼ変わりない
見せ金は使えない
- 親族に出して貰った(=恩借)場合でも、融資をして貰うための見せ金で融資実行後に親族の元へ戻るのでは?などの疑義が生じる
- 自己資金の貯蓄額と貯蓄期間でどれだけ真剣に計画を立てていたかが見られる
創業融資は期間限定
- 日本政策金融公庫の場合、2回目の決算を向かえるの前に申請する事が要件
- 信用金庫などの民間の金融機関でも創業融資は2回目の決算前など条件が設定されている
- 創業の定義は金融機関毎に異なる
- 必ず自分が該当するかどうか窓口に確認した方が良い
滞納歴とかノンバンク
- クレジットカードの滞納歴とかノンバンクでも借り入れ等もチェックされる
- 融資してもらう前に信用情報に傷が付いて無いか確認する
- クレジットカード会社・信販会社系は株式会社シー・アイ・シー(CIC)
- 消費者金融系は株式会社日本信用情報機構(JICC)
- 税金の未納があった場合は特に日本政策金融公庫の場合は融資してもらえない
事業計画書について
- 日本政策金融公庫のサイトからテンプレートがダウンロード出来る
- 見本も豊富に用意されている
- 信用してもらう必要がある
- 客観的な根拠のあるプレゼン資料を別途作成する必要がある
- 民間の金融機関にも日本政策金融公庫より詳細なテンプレートが用意されている
- 補足資料も必要
- テンプレートでも情報量不足のため補足資料として別途資料を用意した方が良い
- 書き方については経営デザインシートを用いて、現状の分析と未来の予想を立てる
- 経営理念(組織の場合は企業理念)とビジョンと経営方針と経営計画を矛盾と嘘が無いようにしっかりと考える必要がある
一番難しいのは人生哲学
- 経営理念(組織の場合は企業理念)とビジョンという人生哲学の部分
- 面談の時に、「なぜあなたはコレ(例えば、起業)しようと決断したのですか?」という質問がされる
- 「儲かりそうだと思ったから」「面白そうだったから」「上司に命令されるのは嫌だったから」といった理由は無し
苦難でも事業を諦めない理由
- 簡単な理由だと簡単な理由でやめてしまうのではないかとか、人間性が信用出来ない、リスクを背負ってまで応援したくないなど思われてしまう
- 自分が一体何を本気で望んでいるのか、深層心理で無意識に色々考えた結果
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