建設工事の施行中に廃業となった場合はどうなるか?

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発注者保護の観点から工事は継続できる
建設工事の途中で業者が廃業することは、発注者や工事関係者にとって大きな問題となります。
そもそも建設業者は、建設業法に基づく許可を受けていることが前提となっており、廃業によって当然ながらその許可は失われます。
廃業のパターンには、許可を受けている者が死亡したとき、合併などにより会社が消滅、破産手続して解散、その他専任技術者がいなくなるなど要件を満たさなくなったとき、更新手続きを忘れたときなどがあります。
では、建設工事の施行中に業者が廃業してしまった場合、どうなるのでしょうか?
実は、発注者保護の観点から、既存の施工中の工事は継続できるのです。
これは、施工中の工事が未完了であるため、工事中止によって発注者に大きな損害が発生することを防ぐために、建設業法によって定められた規定です。
また、工事中でなくても、請負契約を締結した時点で業者が無許可でなければ、継続して工事を進めることができます。ただし、発注者側が無許可者に工事されたくない場合は、契約解除することもできます。そのため、建設業者は廃業になってしまった場合でも、現在進行中の工事に対しては最大限の対応を行い、発注者に対して丁寧な説明を行うことが求められます。
このように、建設工事の施行中に業者が廃業してしまった場合、発注者や工事関係者にとっては大きな問題となりますが、建設業法によって定められた規定に基づき、工事の継続や契約解除などが行われることになります。
建設業者としては、廃業になることを防止することが最も重要であり、また、廃業に至ってしまった場合でも、誠実な対応を行い、信頼関係を築くことが大切です。
該当する法令
(許可の取消し等の場合における建設工事の措置)
第二十九条の三 第三条第三項の規定により建設業の許可がその効力を失つた場合にあつては当該許可に係る建設業者であつた者又はその一般承継人は、第二十八条第三項若しくは第五項の規定により営業の停止を命ぜられた場合又は前二条の規定により建設業の許可を取り消された場合にあつては当該処分を受けた者又はその一般承継人は、許可がその効力を失う前又は当該処分を受ける前に締結された請負契約に係る建設工事に限り施工することができる。この場合において、これらの者は、許可がその効力を失つた後又は当該処分を受けた後、二週間以内に、その旨を当該建設工事の注文者に通知しなければならない。
2 特定建設業者であつた者又はその一般承継人若しくは特定建設業者の一般承継人が前項の規定により建設工事を施工する場合においては、第十六条の規定は、適用しない。
3 国土交通大臣又は都道府県知事は、第一項の規定にかかわらず、公益上必要があると認めるときは、当該建設工事の施工の差止めを命ずることができる。
4 第一項の規定により建設工事を施工する者で建設業者であつたもの又はその一般承継人は、当該建設工事を完成する目的の範囲内においては、建設業者とみなす。
5 建設工事の注文者は、第一項の規定により通知を受けた日又は同項に規定する許可がその効力を失つたこと、若しくは処分があつたことを知つた日から三十日以内に限り、その建設工事の請負契約を解除することができる。
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