素行善良要件 入管法22条2項の1

「素行善良要件」とは

「素行善良要件」とは、永住ビザの申請要件のひとつで、日常の行いが良いことを指します。

たとえば、犯罪や交通違反などの悪いことをしていないことが求められます。軽微な違反であれば、5回以下であれば永住が許可される可能性がありますが、頻繁に行われる場合は永住が許可されないことがあります。

具体例としては、1点の交通違反など軽微なものが5回以下であれば永住が許可される可能性が十分あるということが挙げられます。

また、禁固刑や懲役刑、罰金を受けた場合は一定の条件を満たさない限り永住は許可されません。さらに、逮捕歴が複数回ある場合や、資格外活動の就労時間違反がある場合も永住が許可される可能性は低くなります。

つまり、日常の行いが非常に重要な要素となっており、ビザ申請者はその点に注意する必要があります。

法的根拠

出入国管理及び難民認定法の(永住許可)第二十二条に明記されています。

(永住許可)

第二十二条 在留資格を変更しようとする外国人で永住者の在留資格への変更を希望するものは、法務省令で定める手続により、法務大臣に対し永住許可を申請しなければならない。

 前項の申請があつた場合には、法務大臣は、その者が次の各号に適合し、かつ、その者の永住が日本国の利益に合すると認めたときに限り、これを許可することができる。ただし、その者が日本人、永住許可を受けている者又は特別永住者の配偶者又は子である場合においては、次の各号に適合することを要しない。

 素行が善良であること。

出入国管理及び難民認定法 | e-Gov法令検索 https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=326CO0000000319

審査要領の記載

審査要領には以下のように記載されています。

  • 日本国の法令に違反して、懲役、禁錮又は罰金(道路交通法による反則金を除く。以下同じ。)に処せられたことがある者。ただし、懲役又は禁錮については、その執行を終わり若しくはその執行の免除を得た日から10年を経過し、又は、刑の執行猶予の言渡しを受けた場合で当該執行猶予の言渡しを取り消されることなく当該執行猶予期間を経過したとき、また、罰金については、その執行を終わり又はその執行の免除を得た日から5年を経過し、又は刑の執行猶予の言渡しを受けた場合で当該執行猶予の言渡しを取り消されることなく当該執行猶予の期間を経過したときは該当しないものとして扱う。
  • 少年法による保護処分(少年法第24条第1項第1号又は第3号)が継続中の者。
  • 日常生活又は社会生活において、違法行為又は風紀を乱す行為を繰り返し行う等素行善良と認められない特段の事情がある者。例えば、道路交通法違反等軽微な法違反であっても繰り返し行う者はこれに該当する。

つまり、懲役、禁錮、罰金、または保護処分をされておらず、仮に罰金を払ったとしてもそれが交通違反であれば(繰り返しを行うなど特段の事情がなければ)問題ない。

そして、納税義務や暴力団との関係性がない等が要件です。

軽微な交通違反について

軽微な交通違反について、以下のことが言えます。

・軽微なものが5回以下であれば、永住ビザの申請が許可される可能性は十分にあります。

例えば、過去に速度超過の交通違反を5回行っていた場合、反則金で解決できるような軽微な交通違反であれば永住ビザの申請が許可される可能性があります。

・頻繁に軽微な交通違反がある場合は、永住ビザは許可されない可能性が高くなります。

しかし、同じ速度超過の交通違反を頻繁に行っていた場合は、永住ビザの申請が許可されない可能性が高くなります。

永住ビザの申請は総合的に審査されるため、頻繁に交通違反を犯していることは、審査官から不許可の理由とされることがあります。

例えば、信号無視や駐車違反といった軽微な交通違反を過去5回行っていた場合、反則金で解決できるような軽微な交通違反であれば永住ビザの申請が許可される可能性があります。しかし、同じ軽微な交通違反を頻繁に行っていた場合は、永住ビザの申請が許可されない可能性が高くなります。

永住ビザの許可には、罰金、禁固刑、懲役刑がある場合、 一定の条件を満たさない限り許可されません。

罰金、禁固刑、懲役刑が有る場合

例えば、飲酒運転やスピード違反、無免許運転などは罰金刑になります。

「永住許可に関するガイドライン」には、「罰金刑や懲役刑などを受けていないこと」と明記されています。 つまり、罰金、禁固刑、懲役刑を受けた場合は永住ビザの許可が得られません。

また、罰金には交通違反が含まれ、飲酒運転、スピード違反(一般道30km/h、高速道路40km/h以上)、無免許運転なども罰金刑に該当します。

逮捕歴ある場合

逮捕されただけでは問題ないと思う方もいらっしゃいますが、 逮捕歴がある場合、有罪判決を受けなくても、逮捕歴が複数回あると永住許可が下りる可能性は低くなります。

例えば、万引きで逮捕されても釈放されるケースが多いですが、前歴がつくため、 複数回逮捕されている場合は永住許可が下りない可能性が高いです。

刑罰は、裁判で有罪判決が出て初めて課されるものであり、交通違反の罰金は例外です。 そのため、逮捕歴は警察に残ります。

逮捕歴は「前歴」と呼ばれ、これが複数回あると問題になります。

資格外活動違反した場合

永住権を申請する際には、資格外活動違反や就労時間違反があると永住権の取得が難しくなることがあります。

例えば、日本語学校に通いながら、ビザに許可された範囲を超えるアルバイトをしている場合や、就労時間制限を守らずに働いている場合が該当します。

外国人にとって永住権は最大の規制緩和措置であるため、入管法の遵守は非常に重要です。

家族滞在ビザを持っている場合は、資格外活動許可を得てアルバイトをすることがありますが、週28時間の労働時間制限を守ることが求められます。

例えば、学生ビザで日本に滞在している場合には、学業に支障をきたさないように週の勤務時間を調整する必要があります。

この制限を守らない場合、永住権の取得が難しくなる可能性があります。

過去に禁固刑・懲役刑・罰金があった場合の対処法

禁固刑や懲役刑、罰金が科せられた場合、永住ビザの取得に制限があるという噂があるかもしれません。しかし、実際にはそんなことはありません。一定の期間が経過すれば、永住ビザの申請ができます。

例えば、懲役刑を受けた場合は、10年が経過することで永住ビザの申請が可能になります。また、禁固刑を受けた場合も同様で、10年が経過すれば永住ビザの取得ができます。

さらに、執行猶予を受けた場合は、罰金の場合と同様に、5年が経過すれば永住ビザの申請ができます。例えば、100万円の罰金を科せられた場合、5年が経過すれば永住ビザの取得が可能となります。

ただし、前科持ちであることは、永住ビザの取得に影響する可能性があることは覚えておく必要があります。しかし、一定の期間が経過することで、前科者であることが障壁にならず、永住ビザを取得することができます。

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