県外の登録自動車を購入する時の流れ

国土交通大臣➡都道府県の行政書士会から委託された業務

自動車に付けられるナンバープレートは、私たちの日常に馴染み深い存在です。しかし、そのナンバープレートが交付されるまでには、複雑な手続きと多くの関係者が関わっていることを知る人は少ないでしょう。

ナンバープレートの交付業務は、国土交通大臣から都道府県の行政書士会に委託されています。その行政書士会は更に、会員である丁種会員行政書士に対して業務を再委託することができるシステムになっているのです。つまり国から地方自治体、そして民間の専門家へと委託が重なる仕組みが構築されているというわけです。

東京と滋賀の行政書士同士の連携

この委託の仕組みを踏まえると、例えば滋賀県に住む人が東京で車を購入し、滋賀県のナンバープレートを希望した場合、どのような手続きが行われるのでしょうか。

まず東京の車販売店は、東京都の行政書士会所属の丁種会員行政書士に依頼します。ただし、都道府県をまたぐ封印の受け渡しは法律で制限されていますので、異なる行政書士同士での引き継ぎが必要不可欠です。そこで東京の車販売店は東京の行政書士経由で、滋賀県の行政書士会所属の丁種会員行政書士に業務を依頼することになります。

このとき、東京と滋賀の双方の行政書士は、互いに確約書を2通ずつ交換します。確約書とは、それぞれが業務を確実に遂行することを約束し合う重要な書類なのです。

地元での手続きと物品の受け渡し

滋賀の行政書士は東京の行政書士から必要書類を受取り、次に地元の警察署に出向きます。そこで「車庫証明」の申請を行います。車庫証明とは、ナンバープレートを取得するために必要不可欠な書類で、申請者が滋賀県に居住し、車を置く場所があることを証明するものです。

車庫証明を受領した後、滋賀の行政書士は滋賀県運輸支局へと向かいます。そこで自動車登録の申請を行い、ようやく車検証、ナンバープレート、そして封印が交付されます。封印とは、ナンバープレートを取り付ける際に使う特別な証印のことです。

滋賀の行政書士は、これら一式の書類を東京の行政書士へと送り返します。

出張封印と長い行程の終わり

東京の行政書士は、書類一式を受け取ると、東京の車販売店に出張します。そこで購入者の新車にナンバープレートを取り付け、封印を押す作業、いわゆる「出張封印」を行うのです。

ようやく、この長い手続きを経て、滋賀県のナンバープレートが交付され、ディーラーは購入者に新車を納車することができるのです。

専門家同士の連携がもたらす社会インフラ

このように、たった1台の車にナンバープレートを付けるだけでも、国や地方公共団体、そして民間の専門家が複雑に関わり合う必要があります。確約書のやり取りを伴いながら、行政書士同士がお互いに業務を委託し合うこの仕組みによって、適切なナンバープレートの交付が可能になっているのです。

ナンバープレートは、私たちの生活に密接に関わる社会インフラです。その交付の背景に隠された、専門家同士の緻密な連携と複雑な業務フローを知ることで、日常的な風景に対する理解が一層深まることでしょう。


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