緑ナンバーの証し – 事業用自動車等連絡書の重要性

運送業における重要書類の役割

運送業界には、一般の人には見覚えのない書類が存在します。その一つが「事業用自動車等連絡書」と呼ばれるものです。この小さな書類が果たす役割は決して小さくありません。

事業用自動車等連絡書とは

事業用自動車等連絡書は、簡単に言えば、ある車両が「事業用」であることを示す証明書のようなものです。しかし、その存在意義は深くて重要です。

この書類は、鳥取県運輸支局の輸送部門から登録部門へ、特定の車両が緑色のナンバープレートを付けた事業用自動車であることを伝えるために使われます。つまり、輸送担当者が「この車は事業用ナンバーの車だよ」と通知するための手段なのです。

登録窓口では、申請書類に加えてこの連絡書を提出することで、初めて自社名義の事業用車検証が発行されます。事業用ナンバーの車両を登録する際、警察署で発行される車庫証明は不要で、この連絡書がその役割を果たすのです。

提出窓口と増車の定義

事業用自動車等連絡書の提出は、営業所を管轄する鳥取運輸支局の輸送担当窓口で行います。増車する場合は営業所のある鳥取県、減車する場合も同様に鳥取県の運輸支局に提出します。

例えば、本社が鳥取にあり、岡山県にも営業所がある会社が、岡山の拠点にトラックを増やすときは、増車の連絡書を発行してもらうのは鳥取運輸支局ではなく、岡山運輸支局となります。

一般貨物自動車運送事業の許可を取得すると、初めて自社名義の緑色のナンバープレートの車検証に書き換えられるようになります。これが「増車」の定義なのです。増車が必要になるのは、新車や中古車を購入したり、白ナンバーの車を緑ナンバーに切り替える際などです。

代替と減車のケース

同じ種類(普通、小型など)の車両を同数入れ替えることを「代替」と呼びます。代替の場合は台数変更届が不要で手続きが簡単になる半面、減車と増車を別々に行うことができず、動きに制約が生じます。

具体例を挙げると、もし鳥取で「900番」を減車し「800番」を増車した上で、減車した「900番」を岡山で増車したい場合、鳥取で代替の連絡書を発行してもらうと、その日のうちに岡山まで行かなければならず不便です。この場合は代替ではなく、増車と減車で別々に連絡書を出すのが賢明です。

減車が必要になるケースとしては、中古車を手放したり、しばらくナンバーを返納する場合、事故や故障で解体業者に出す場合、白ナンバーに切り替える場合などがあります。

同一会社内で営業所を移動する際も、減車と増車の手続きが必要になります。また、事業を廃止や休止する際は、減車ではなく特別な手続きが必要となり、その連絡書があれば車両の譲渡や白ナンバー切り替えもできます。

込み入った手続きと重要な役割

運送業界には一般の方には見覚えのない書類が多数存在し、それらを理解するのは一苦労です。しかし、事業用自動車等連絡書のように、些細な書類でも極めて重要な役割を担っているものがあるのです。このような込み入った手続きを無視してしまえば、事業の健全性を損なう可能性もあります。

運送業界に携わる人々は、こうした書類の存在意義を十分に理解し、適切に対応することが求められているのです。


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