古物商許可の申請において営業所選びで一番悩むポイントとは?実家を営業所にした場合の問題点

個人のお客様で古物商許可を申請する際に一番困るのはどこを営業所にするかについてです。
一軒家のご自宅を所有されている方であれば特に問題はありませんが、所有権を持っているけどもそれが分譲マンションであったり、賃貸マンションの場合は問題になる都道府県もあります。
問題となる都道府県はこちらの記事に一覧を置いています。
※その時の状況によって異なりますので申請する際は必ず事前に管轄の警察署にご確認下さい。
弊所は京都市と滋賀県のちょうど真ん中に位置する事務所ですので、京都市と滋賀県を例に出してお話をすると、この両方の都道府県については、営業所がマンションタイプの場合は使用承諾書の提出が必ず求められます。
この時、分譲マンションの場合は比較的管理組合と交渉すれば使用承諾書の発行が叶うケースが多いです。
これは、管理組合のメンバーは同じ分譲マンションに住む住民ですので、使用承諾をしない=同じマンションの住民である自分も中古品の販売ができなくなるとのことから比較的承諾されることが多い気がします。
事実私も分譲マンションで行政書士事務所を開業していますが、行政書士事務所を開業するにあたって使用承諾書の提出が求められ、同じように管理組合と交渉することによって使用承諾を受けました。
これは行政書士という職業は一応街の「法律家」として認知されているのもあり信頼性が高く、身近にいるといざという時何かと便利な事、飲食店やショップと違い、人の出入りがそもそも少なく、私の場合はZOOMや電話メール等を活用してオンライン上で仕事をすることが多く、来所頂くよりはこちらから出向くことの方が多いので、周辺の住民に迷惑をかける恐れがほとんどないなどの様々な理由から承諾を受けました。
前提として、管理組合のメンバーはマンションの住民の為、あくまで自分たちで管理するため、使用制限をすると自分たちの権利を制限されるという点から承諾することに対して、承諾する側もインセンティブがあるため比較的前向きに考慮してくれる。これが分譲マンションの特徴です。
問題は賃貸マンション・アパートの場合で、この場合は所有者である管理会社から承諾を求める運びとなりますが、一人の住人に承諾を与えた場合、その他の住民にも承諾を与えなければいけなくなり、そうすると極端な話マンション全体が古物商だらけとなり、管理会社の負担が大きくなるなど、実質経費がかかり、分譲マンションの管理組合と違い承諾することのインセンティブがないことからほとんどの場合拒否されます。
前置きがずいぶん長くなりましたが、こういった分譲マンション・賃貸マンションで使用承諾書を得られないときの対処方法として、片道一時間以内の距離に所有権を持っている両親の一軒家がある場合、この一軒家を営業所として申請することが出来る場合があります。
この時に、本当に申請ができるかどうかは必ず管轄の警察署に確認が必要となりますので予めご承知おきください。
ここで実家を営業所として申請できるからと言って、手放しで問題解決かというとそうではありません。
なぜなら、必ず古物商としての営業は営業され行わなければならないからです。
つまり商品の保管なども、申請者の自宅ではなく必ず営業所で行う必要があります。
そうすると、例えば、自分が住んでいる賃貸マンションの目の前に一軒家の実家があったとします。
このような場合、目と鼻と先の実家で古物商の営業に関わる作業をするのも、賃貸マンションの自分の自宅でするのも、感覚的にあまり変わらないため、わざわざ実家に行くのも億劫となり、結局古物商営業の作業を惰性で自宅も賃貸マンションになってしまったとします。
そうすると、申請していない所在地で古物商の営業をしていることになり、無許可営業と判断されてしまう可能性があります。
古物商で無許可営業をしてしまうと、第三十一条の「3年以下の懲役または100万円以下の罰金、もしくはその両方」となっており、さらに以下の法令により5年間古物商の取得ができなくなります。
(許可の基準)
二 禁錮以上の刑に処せられ、又は第三十一条に規定する罪若しくは刑法(明治四十年法律第四十五号)第二百三十五条、第二百四十七条、第二百五十四条若しくは第二百五十六条第二項に規定する罪を犯して罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることのなくなつた日から起算して五年を経過しない者
仮に懲役刑で3年堀の中に居た場合は執行(出所日の翌日)が終わってからさらに5年間は古物商の許可が取れないので、実質8年間は何もできなくなってしまいます。
ですので、しっかりと古物商の営業に関わることは申請した営業所で行いましょう。

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①申請可否診断
②必要書類収集
③申請書作成
④警察署に申請
⑤許可証の受取
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