補助金・助成金・給付金の違いとは?定義や特徴比較
Contents
主な補助金特徴比較
– | 持続化補助金 | IT導入補助金 | ものづくり補助金 |
---|---|---|---|
イメージ | 販路開拓なら色々OK | EXCELでしていた事を専用ソフトに移行 | 革新的な発明 |
業務効率化パッケージソフト | 〇 | 〇 | △ |
PR用ホームページ | 〇 | ✕ | ✕ |
ECサイト | 〇 | 〇 | △ |
特注仕様 | 〇 | △ | 〇 |
– | 持続化補助金 | IT導入補助金 | ものづくり補助金 |
---|---|---|---|
エントリー | 原則 単独申請 | IT導入支援事業者との共同申請 | 原則 単独申請 |
相見積 | 原則不要(100万未満の場合) | 不要 | 原則必要 |
電子申請 | 書類/電子申請も可 | 電子申請のみ | 電子申請のみ |
計画書文章作成 | 有り | 無いが選択式or数字 | 有り |
採択率 | 6割 | 5割 | 4割 |
1. イメージ
- 持続化補助金: 販路開拓など幅広い用途に利用可能。
- IT導入補助金: 既存業務の効率化を目指し、EXCELから専用ソフトへの移行が主要な焦点。
- ものづくり補助金: 革新的な発明や新製品の開発にフォーカス。
2. 業務効率化パッケージソフト
- 持続化補助金: 〇
- IT導入補助金: 〇
- ものづくり補助金: △
持続化補助金とIT導入補助金は、業務効率化パッケージソフトの導入に対して両方とも支援を行いますが、ものづくり補助金はその対象から外れます。
3. PR用ホームページ
- 持続化補助金: 〇
- IT導入補助金: ✕
- ものづくり補助金: ✕
PR用ホームページの作成に関しては、持続化補助金がサポート対象であり、IT導入補助金やものづくり補助金からはサポートを受けられません。
4. ECサイト
- 持続化補助金: 〇
- IT導入補助金: 〇
- ものづくり補助金: △
ECサイトの構築については、持続化補助金とIT導入補助金の両方がサポート対象であり、ものづくり補助金も一部対応しています。
5. 特注仕様
- 持続化補助金: 〇
- IT導入補助金: △
- ものづくり補助金: 〇
特注仕様の開発についても、持続化補助金とものづくり補助金がサポート対象ですが、IT導入補助金は一部対応のみです。
次に、これらの補助金の申請に関するポイントを比較します。
6. エントリー
- 持続化補助金: 原則、単独申請。
- IT導入補助金: IT導入支援事業者との共同申請が可能。
- ものづくり補助金: 原則、単独申請。
補助金のエントリー方法に関して、持続化補助金とものづくり補助金は単独申請が原則ですが、IT導入補助金は専門家と共同申請が可能です。
7. 相見積
- 持続化補助金: 原則、単独申請時には相見積不要(100万未満の場合)。
- IT導入補助金: 不要。
- ものづくり補助金: 原則、相見積が必要。
相見積については、持続化補助金の場合、一定条件下では不要ですが、ものづくり補助金は原則的に相見積が必要です。
8. 電子申請
- 持続化補助金: 書類/電子申請も可。
- IT導入補助金: 電子申請のみ。
- ものづくり補助金: 電子申請のみ。
電子申請に関して、持続化補助金、IT導入補助金、ものづくり補助金のすべてが電子申請をサポートしています。
9. 計画書文章作成
- 持続化補助金: 有り。
- IT導入補助金: 無いが選択式or数字。
- ものづくり補助金: 有り。
計画書の文章作成に関して、持続化補助金とものづくり補助金は必要ですが、IT導入補助金は選択式または数字の提出が可能です。
10. 採択率
- 持続化補助金: 6割。
- IT導入補助金: 5割。
- ものづくり補助金: 4割。
最後に、採択率に関して、持続化補助金が6割、IT導入補助金が5割、ものづくり補助金が4割となっています。持続化補助金が最も高い採択率を誇っています。
総括すると、各補助金には異なる特徴と対象があり、ビジネスのニーズに合わせて最適な選択を行うことが重要です。また、申請手続きや条件も異なるため、詳細な情報収集とプランニングが成功の鍵となります。補助金の利用により、事業の成長や革新を支え、競争力を向上させる手助けとなることでしょう。
補助金・助成金・給付金(支援金)
補助金・助成金と給付金・支援金が大きく違う
早速ですが、補助金・助成金・給付金・支援金は国から支援してもらえるお金の事です。
お金関係で言うと、日本政策国庫の融資もありますが、これは借金なので説明はここでは関係ありません。
違いを一覧にしたのでまずは下記をご覧いただきたいと思います。
種類 | 給付金・支援金 | 補助金 | 助成金 |
---|---|---|---|
目的 | 緊急時の救済措置 | 設備導入産業の活性化 | 雇用や労働環境の改善 |
対象 | 法人、個人事業主、一般人 | 法人、個人事業主 | 法人、個人事業主 |
主な管轄 | 国・地方自治体など | 経済産業省 | 厚生労働省 |
要件・審査 | 優しい | 難しい | やや難しい |
支給時期 | 随時 | 後払い | 後払い |
給付金・支援金の要件・審査について
給付金・支援金とは最近で言うと、 2020年のコロナウイルスが流行した時に安倍内閣が実施した「持続化給付金」、 2022年の岸田内閣が実施した「事業復活支援金」の事です。
これら給付金・支援金の要件と審査は補助金や助成金と比べて緩いものとなっています。
具体的にはコロナの影響で売り上げが下がった月がコロナが流行する以前の月と比べて一定の割合下がっていた時、事業を継続しており、今後事業も継続する意思がある、確定申告をしており書類が保存されている等の簡単な要件でほとんどの場合で審査が通ります。
私も事業復活支援金の「登録確認機関」をしておりましたので実体験としてそういう印象を持っています。
助成金の要件・審査について
助成金に関しては社会保険労務士の独占業務となっておりますので、社会保険労務士の先生にお問い合わせいただきたいのですが、要点だけ説明させていただきますと補助金と似た制度です。
ただし、経済産業省と厚生労働省とで管轄が違います。また申請書の作成に関しては、社会保険労務士の場合は顧問契約をしていることが多く、士業側がすでに依頼者の業務を把握している事もあり、申請書作成自体も補助金に比べてスムーズなことが多いです。
補助金の要件・審査について
それと比較し、補助金の場合は依頼者と受任者が新規の関係性の事が多く、その中で経営計画書を用意し、金額の高い補助金の場合は書類審査以外にプレゼンテーションによる二次審査があったりと、やはり給付金・支援金・助成金と比較して難しいと言われています。
お金の使用用途の違い
さて、そうした要件審査以外に注目すると貰ったお金を使える用途についても大きな違いがあります。
使える用途が違う理由については支給される目的が各々異なるためです。
上の表で言うと給付金・支援金の場合はコロナウイルス感染症と言う災害によってやむを得ず売り上げが下がってしまった事業者の救済になります。
それに比べて補助金と助成金は救済という側面ではなく、国からの投資という面が強いです。
投資といっても返済義務はありません。補助金助成金によって事業者が売上が上がるなどして市場が活性化すると税収が増えますので、そこで回収するという意味なので補助金と助成金を受けた者が直接返金する必要はありません。
但し、補助金により直接生じた収益が一定以上ある場合については返納が求められる事があります。これを収益納付と呼びますが、税金が事業者の直接利益になるのは問題という考えが背景にある制度です。
補助金で機械を買ってその機械によって製造して売り上げを得た場合は収益納付を求められる可能性があります。
それに対して、チラシを撒く、ホームページを開設するなどして集客が増えた結果売上が増えたような場合は収益納付の対象にはなりません。
前者の後者の違いは直接的な利益かどうかです。補助金で購入した機械によってものを作って売った場合は補助金によって売上が立ったことは明らかです、しかし後者の場合はチラシを撒いたりホームページを開設したことが売上に繋がったと必ずしも言いることが出来ず、その他にも様々な要因があるかもしれませんので収益納付には該当しません。
このように直接的な収益が一定の基準以上あった場合は返還を求められます。
支払い時期の違い
最後は支払時期の違いについてです。
給付金・支援金の場合は審査が通るとまずお金が振り込まれます。今回の持続化給付金・事業復活支援金の採択についても銀行に振り込まれてから気づいた人も多いのではないでしょうか。
それに対して、補助金と助成金の場合は基本的に後払いです。例外的に先に概算で支給が認められる場合もあります。
補助金の場合は審査が通り、採択された後に定められた期間の間(補助期間)に申請した計画に沿って自己資金を使いモノやサービスを購入します。補助期間終了後に事後報告することでようやく補助金が振り込まれることになります。
前項の「用途」のところでも軽く触れましたが、補助金の場合はその補助金の目的に応じた使い方をしないと補助金の給付が認められない場合があります。そうすると、全額自己負担になりますので経営を圧迫することになりかねません。
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