特定技能1号支援の10義務


Contents

10の義務支援内容

支援内容 支援内容の詳細
🧭 事前ガイダンスの実施 雇用契約締結後、業務内容や労働条件、報酬額、日本で行える活動の範囲、支援にかかる費用を外国人本人から徴収しないこと、保証金徴収の有無等について説明し、理解できる言語で実施する。
✈️ 出入国する際の送迎 到着空港や港から所在機関の事業所や住居への送迎(海外から入国する場合)。帰国時は空港の保安検査場の前まで同行し、入場を見届ける。
🏠 住居確保・生活に必要な契約支援 不動産業者・賃貸物件の情報提供、必要に応じた同行支援。場合により連帯保証人や社宅提供も対応。銀行口座開設、携帯電話・ライフライン契約の案内と手続支援。
📘 生活オリエンテーションの実施 日本のルール・マナー、金融機関・医療機関・交通機関の利用方法、生活必需品の購入等、生活に必要な情報を理解できる言語で案内。
🏛️ 公的手続きのサポート 住民票・社会保険・税などの手続への同行、書類作成の補助を必要に応じて実施。
🗣️ 日本語学習の機会の提供 日本語教室・日本語学校の入学案内、オンライン講座や教材情報の提供。
🆘 相談・苦情対応 職場や生活上の相談・苦情への対応、必要な助言・指導を理解できる言語で提供。
🤝 日本人との交流促進の支援 地域住民との交流の場や地域行事の案内、参加の補助等を実施。
🔄 転職支援(本人都合以外) 受入れ側の都合で雇用契約を解除する場合、転職先探しの支援、推薦状作成、有給付与や必要な行政手続情報の提供。
📝 定期的な面談・行政機関への通報 外国人と上司等との定期面談(3か月に1回以上)を実施し、労基法違反等があれば通報。

事前ガイダンスの概要

  • 労働条件の説明
    従事する業務の内容、賃金、労働時間、休憩・休日、契約期間、安全衛生などを、書面を使って説明します。危険や有害な業務に従事する場合は、その内容と安全対策も具体的にお伝えします。

  • 活動範囲の確認
    特定技能1号で働けるのは、法律で認められた業務区分だけです。技能水準が認められた分野でのみ、業務に従事します。

  • 入国・在留手続の案内
    新規で来日する場合、在留資格認定証明書を受け取り、在外公館で査証申請し、3か月以内に入国します。すでに日本にいる場合は、在留資格変更の許可をもらうまで、新しい職場で働くことはできません。

  • 保証金・違約金の禁止
    本人だけでなく、家族や仲介業者など、名目を問わず金銭や財産を管理・預託したり、違約金などを定める契約を結ぶことは禁止です。不当なペナルティや高額な費用徴収も該当します。

  • 外国機関への費用支払の確認
    外国の機関に費用を支払っている場合は、その内容を本人が十分理解し、納得していることを確認します。

  • 支援費用の負担
    義務的支援に必要な費用は所属機関が負担し、本人に負担させることはありません。

  • 入国時のサポート
    空港や港で出迎え、事業所や住居まで送迎します。住居の確保支援も行い、広さや家賃など本人が負担する金額を説明します。

  • 相談・苦情の体制
    就労や生活に関する相談、苦情を受け付ける曜日・時間、方法(電話、メール、面談等)を案内します。支援担当者の氏名と連絡先もお伝えします。

  • 実施方法と言語
    対面またはテレビ電話等で本人確認をした上で、本人が理解できる言語で実施します。郵送やメールのみではNGです。

  • 確認書と所要時間
    ガイダンス後、確認書を本人に示し、署名をもらいます。十分な理解のため、3時間程度を目安に実施します。転職時も改めてガイダンスが必要です。

  • 任意的な情報提供
    日本の気候、持参品、当面必要な生活費、会社から支給する物品など、役立つ情報も案内できます。

  • 費用の貸付
    航空券代や生活費の貸付は可能ですが、返済方法が法令に違反しないよう注意が必要です。

  • ガイダンス委託時の注意
    ガイダンスの委託は可能ですが、不適切な送出機関に委託した場合は、支援体制と認められない可能性があります。

  • 規制の基準
    金銭等の負担が労働の強制や転職の妨げにならないことを基準に、規制の対象を判断します。


法的根拠と基本的な送迎義務

根拠法令

特定技能基準省令に基づき、1号特定技能外国人支援計画に「送迎の内容」を記載することが義務付けられています。

入国時の送迎

外国人が入国審査を受けた空港・港から、特定技能所属機関の事業所または住居まで確実に送迎することが必要です。

出国時の送迎

空港・港まで送迎し、さらに保安検査場の前まで同行して出国手続きの開始を確認します。


送迎方法と留意事項

送迎手段

車両(社用車・自家用車)、鉄道、バス、タクシーなど、手段は問いません。ただし、車両利用の場合は道路運送法上の許可が必要なので注意が必要です。

費用負担

送迎に要する実費(交通費、燃料代、通行料、駐車場代、必要に応じて保険料等)は、すべて受け入れ機関が負担します。


例外・任意支援

既に日本在留の場合

技能実習2号から特定技能1号へ変更したなど、すでに日本国内にいる外国人は入国時の送迎義務の対象外です。ただし、任意で支援することも可能です。

送迎が難しい場合

送迎を実施しない場合は、円滑に移動できるよう交通手段や緊急連絡方法を事前に案内します。


その他のポイント

一時帰国は対象外

一時帰国時の出入国については、送迎義務は適用されません。

事前ガイダンス

送迎が過度な負担にならないよう、最寄りの空港・港を案内し、入国経路をあらかじめ決めておくことが推奨されます。

出国時の留意点

出国時にすでに住居を退去している場合は、滞在先の把握と連絡手段の確保が必要です。

住居確保に係る支援

義務的支援の方法

  • 賃貸情報提供・同行・契約補助
  • 連帯保証人がいない場合、所属機関が保証人、または家賃債務保証業者利用+緊急連絡先
  • 所属機関が賃借人となり住居を提供(借上社宅)
  • 所属機関所有の社宅等の提供

居室面積の基準

  • 1人当たり7.5㎡以上(ただし技能実習から変更等の例外あり)
  • ルームシェアの場合、居室全体面積÷人数≧7.5㎡

費用負担と経済的利益の禁止

  • 敷金・礼金等は本人負担が原則、所属機関の任意負担も可
  • 家賃保証業者利用時の保証料は所属機関負担
  • 社宅・借上物件の使用料徴収ルール(借上の場合は実費以内、自己所有の場合は合理的な額)
  • 家電・家具・保険の貸与・提供は本人に帰属し理解を得ること
  • 徴収費用は実費・合理的な額で合意が必要

平等処遇と例外

  • 日本人従業員と同等の社宅・居室広さを確保
  • 既に住居がある場合や客観的に不要な場合は支援不要
  • 住居を退去する場合は新たな支援が必要

その他留意点

  • 退職が決まっても雇用契約中は支援継続
  • 居室の定義は建築基準法に基づく(ロフト等は含まず)
  • 技能実習からの変更時は寝室4.5㎡以上でOK

生活に必要な契約に係る支援

義務的支援

  • 銀行・金融機関の口座開設、携帯電話契約、ライフライン契約の手続き支援
  • 必要な書類提供・窓口案内・同行補助

任意的支援

  • 契約内容変更・解約時の手続き支援
  • 書類提供・窓口案内・同行補助

留意事項

  • すでに口座開設等が済んでいる場合は支援不要
  • 日本人従業員と同等の処遇を確保

日本語学習支援

提供方法

  • 就労・生活地域の日本語教室や認定日本語教育機関の入学案内と、必要時は入学手続き支援・同行を行う。
  • 自主学習用の教材やオンライン講座に関する情報提供、および利用手続き支援を行う。
  • 1号特定技能外国人と合意があれば、所属機関が登録日本語教員と契約し、日本語講習を提供する。

経済的負担

  • 支援に要する経費は所属機関が負担する。
  • 外国人に過度な負担が生じないよう十分配慮する。

任意的支援の内容

  • 職員による日本語講習の企画・運営を行う。
  • 日本語能力試験の受験支援や、資格取得者への優遇措置を講じる。
  • 日本語学習のための教室や教材、講師料等の費用を一部または全額補助する。

継続とサポート

  • 日本語習得は継続的な学習が必要なので、適切かつ継続的な学習機会を提供する。
  • 習得状況や本人の希望を踏まえ、柔軟に対応する。

地域環境への対応

  • 日本語教室がない地域では、遠隔学習教材やオンライン講座、国が提供する自主学習コンテンツを活用する。

国のリソースの活用

  • 「つながるひろがる にほんごでのくらし」などの自主学習教材を案内する。
  • 文部科学大臣認定の日本語教育機関情報を「日本語教育機関認定法ポータル」で知ることができる。
  • 日本語能力自己評価ツール「にほんごチェック!」で習熟度の確認が可能。
  • 「日本語教育コンテンツ共有システム」で地域教材やカリキュラム情報を入手可能。

その他の注意事項

  • あくまで外国人本人の意思と希望を尊重することが重要。
  • 行政書士や支援責任者は、国や地域のリソースをよく把握し、適切な案内を行う必要がある。
  • 最新情報や地域の実情に応じて、都度内容を見直すことも大切である。

相談・苦情対応の基本義務

相談・苦情の対象

職業生活・日常生活・社会生活に関するすべての分野が対象。
相談や苦情の申出には、遅滞なく適切に対応し、必要に応じて助言や指導を行う。

相談対応の方法

外国人本人が十分理解できる言語で対応することが義務。
必要に応じて関係機関(地方出入国在留管理局、労働基準監督署等)へ案内し、同行補助も義務。


相談・苦情対応体制の整備

相談窓口の設置

相談窓口の連絡先一覧の事前配布や、専用電話・メールの設置が推奨。
相談しやすいよう、事務所内に窓口を設けることも望ましい。

対応時間の設定

勤務日は週3日以上、休日は1日以上など、外国人の勤務形態に合わせてアクセスしやすい時間帯を設定。
夜間や休日にも対応できる体制(専用メール等)や、緊急連絡先の明示が望ましい。


相談・苦情対応の実務ポイント

記録・報告

相談・苦情の内容は相談記録書に記録する。
重大事案や行政機関への通報があった場合は、所定の報告書を作成・提出する必要がある。

通院・入院時の支援

外国人本人の通院や入院に際し、同行・手続き補助が義務。
その際の交通費等は雇用主負担。

申請書類作成の補助

申請書類作成の補助も雇用主の義務。
申請取次の費用も原則として雇用主負担。


その他の留意点

個人情報保護

相談内容を理由に不当な取扱いが起きないよう、個人情報の保護に注意する。

対応義務の期間

相談・苦情対応は、雇用期間中(離職後も契約期間中は継続)行う必要がある。

通訳確保

通訳がいない場合は一時的に同僚や翻訳アプリも可だが、正確性とプライバシーのため通訳の確保が理想。

日本人の交流促進支援

法的根拠

特定技能基準省令(1号特定技能外国人支援計画の内容等)第3条において、「日本人との交流の促進に係る支援」は、支援計画に必ず記載しなければならない事項です。

義務的支援

  • 地域住民との交流の場(地方公共団体・ボランティア団体主催の行事等)に関する情報提供
  1. 地域自治会等の案内
  2. 行事への参加手続きの補助
  3. 行事内容や注意事項の説明を必要に応じて同行して実施
  4. 日本の文化・地域行事に関する案内や現地説明

任意的支援

  • 1号特定技能外国人が行事参加を希望する場合、業務に支障が出ない範囲で有給休暇や勤務調整の配慮が推奨
  • 特定技能所属機関等が率先して交流の場を設ける努力が望まれる
  • 外国人が孤立せず、相互理解・信頼関係を深められるよう支援

留意事項

  • 交流促進支援は、季節の行事などを活用して年間を通じて計画的に実施することが望ましい
  • 継続的な取り組みが地域社会への適応や相互理解の促進に重要

雇用契約解除時の転職支援義務

支援の法的根拠

関係法令

特定技能基準省令に基づき、外国人に責めがない理由で雇用契約が解除された場合、新たな特定技能雇用先を見つけるための支援が必須です。


義務的支援の内容

転職支援の選択肢

  • 業界団体や関連企業を通じた新たな受入先情報の提供
  • ハローワークなどの職業安定機関や職業紹介事業者の案内・同行・補助
  • 希望やスキルに基づく推薦状の作成
  • 所属機関が職業紹介事業の許可を持つ場合は、直接の紹介・あっせん

必須の追加支援

  • 求職活動のための有給休暇付与
  • 離職時の国民健康保険・年金等の行政手続きに関する情報提供

今後の継続的な対応

支援継続と記録

新しい受入先が決まるまで、可能な限り支援を継続します。支援内容は、所定の届出書または特異事案報告書に記載して提出が必要です。


実務上の留意点

支援の代替体制

所属機関が自ら支援を実施している場合でも、倒産等で支援が困難になる場合は、登録支援機関等の代替体制を確保する必要があります。

定期面談と通報義務

全体像

  • 3か月に1回以上、本人と監督者の双方に面談を実施する義務がある。
  • 面談で法令違反等を知ったときは、所管の行政機関へ通報する義務がある。
  • 本人が理解できる言語で実施し、生活情報等の再提供と記録整備が必要。

面談の実施要件

頻度と対象

  • 定期的な面談は3か月に1回以上。
  • 対象は1号特定技能外国人本人と監督する立場の者(上司・代表等)。
  • 派遣受入れの場合は派遣先の監督者が対象。

実施者と委託

  • 実施者は支援責任者または支援担当者に限る。
  • 登録支援機関に全委託している場合を除き、第三者への委託は不可。
  • 弁護士等の専門家や通訳は履行補助として同席可能。

言語と内容

  • 本人が十分理解できる言語で実施する。
  • 生活一般、防災・防犯、急病・緊急時対応などを必要に応じて再提示。

オンライン面談

実施条件と同意

  • 本人・監督者の同意が前提。本人は支援計画書の該当欄と署名で確認。
  • 監督者の同意は任意様式で可。
  • 既存計画のオンライン化は届出不要だが、同意書面は帳簿保存。

録画・保存と対面切替

  • 面談の様子を録画し、雇用契約終了日から1年以上保存。
  • 出入国在留管理局の閲覧求めに応じられる体制を整備。
  • 同意なし、対面希望、問題や第三者介入の疑い時は対面に切替。

望ましい運用(推奨)

  • 受入れ後初回、担当者変更後初回は対面が望ましい。
  • 年1回以上は対面面談を確保する。
  • オンライン時は周囲に第三者不在、イヤホン・別モニター・マイク不使用を事前確認し、正面で発言を依頼。
  • 不審点は面談後に個別連絡で確認。質問の順番や聞き方を変えて実態把握。

通報義務

労働関係法令違反

  • 長時間労働、未払い残業、最低賃金、安全衛生などの違反を知った場合、労働基準監督署等へ通報。

入管法違反・その他

  • 資格外活動、旅券・在留カードの取上げ等、入管法違反やその他問題は地方出入国在留管理局へ通報。

記録・保存・報告

面談記録と様式

  • 面談後、外国人用・監督者用の定期面談報告書(参考様式第5-5号・第5-6号)を作成。
  • 面談の事前アンケート等の準備は可。

問題発生時の提出

  • 問題が認められた報告書は、実施困難届または特異事案報告書に写しを添付して提出。
  • 同意書面やオンライン録画データ等は帳簿書類として適切に保存。

定義の補足

監督する立場にある者

  • 同一部署の職員など、当該外国人に対して指揮命令権を有する者。

定期的な面談の定義

  • 3か月に1回以上の頻度で実施する面談。

分野特例(漁業)

面談代替と帰港時対応

  • 長期洋上操業で3か月以上帰港しない場合、3か月に1回以上、無線や船舶電話で本人・監督者と連絡。
  • 近隣港に帰港した際に支援担当者が対面面談を実施。

任意的支援

通報しやすい環境整備

  • 本人が自ら通報しやすいよう、関係行政機関の窓口情報一覧を事前配布するのが望ましい。

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